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2024年の年頭に当たって

みなさま、あけましておめでとうございます。

午前0時、いつもの通りの幕開けとなった2024年ですが、元日の夕方には大変な大災害が発生しました。令和6年能登半島地震で亡くなられた皆様に哀悼の意を表し、また、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

現地では永井豪記念館が全焼するなど、博物館、文化財にも大きな被害が出ている模様です。あらためて博物館の防災を考える1年にしたいと思います。当館は、明治時代の建物を使っていることもあって防災体制が十分とは言えません。最低限ご来館されるお客様の安全を守れる体制を作っていきたいと思います。収蔵庫の防災体制も十分とは言えませんが、さすがに耐火金庫のような設備を作ることはできません。現在、当館の収蔵庫は県内数ヶ所に分散しています。利便性のために集約を検討していましたが、バックアップと考えて有効に分散させるということも考えていきたいと思います。

さて、ここからが本来考えていたご挨拶になります。日本ラジオ博物館も、サイトを開設して17年、松本市に博物館をオープンして12年が経ちました。今までご来館、またご支援いただいた皆様にお礼申し上げます。

博物館をオープンしたときには40代だった私も、今年還暦を迎えることになりました。昨年は2ヶ月の療養生活を送ることになり、個人経営の小規模博物館の永続性を今後考えていかなければならないと思うようになりました。
ずっと課題にしていたNPO法人化も真剣に検討していきたいと思います。
コレクションを次世代につなぐということがこれからの課題となります。

2022年から、ミニ企画展「戦争と無線通信」を開催しています。寄贈品コーナーを模様替えして軍用無線機を並べただけのささやかなものですが、当館として平和を考えるきっかけになればと思って始めました。残念ながら戦火が収まることはなく、3年目に突入しそうです。

ぜひとも世界が平和であってほしいと願うばかりですが、来年は太平洋戦争の終結から80年目の年でもあります。遠い東ヨーロッパや中東のニュースとして戦争を見ていますが、実は私たちの親や祖父母の時代には、日本も戦争の当事者でした。今を生きる私たちは全員、太平洋戦争の生き残りといえます。他人事と思わずに戦争や平和について考えていきたいと思います。

もう少し明るい話題で年頭のご挨拶としたかったのですが、とにかく静かにお正月を送れることに感謝したいと思います。

2024年1月10日更新


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