日本と世界のラジオ「2013収蔵品展」
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日本と世界のラジオ「2013収蔵品展」

世界にはユニークなラジオがたくさんあります。2回目の企画展は、「収蔵品展」という自由なテーマで、日本のラジオの歴史を展示する常設展ではなかなか公開できない外国製のラジオを中心に展示しました。

はじめに

展示写真1

日本ラジオ博物館には1000点を超える収蔵品がありますが、多くはお見せすることができないでいます。このたび、「2013年度収蔵品展」として、皆様に寄贈いただいた資料を中心に、普段非公開の収蔵品を展示、公開しました。

展示は、1階常設展と同様に、1920年代から年代を追った形になっていますが、普段展示していない外国製のラジオを多く展示しました。日本と欧米の歴史の違いなどを見ていただけると面白いと思います。

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フィルコ 39-117T型 アメリカ 1938年

アメリカの小型ラジオ。最初から多くの民放がひしめき合っていたアメリカでは1930年代には普及型の小型ラジオにもプッシュボタン選局が取り入れられていました。ごく初期のテレビ音声も受信できます。

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Ecko A.D. 75型 イギリス 1940年

戦前のイギリスを代表するラジオ。ユニークな丸いキャビネットは、プラスチックでないと実現できないデザインを目指して個性を主張したもの。
木では作れないはずのデザインでしたが、曲木細工などの伝統がある日本では、これの木製のコピー品が存在しました。

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NOVAK 661型 ベルギー 1958年

ヨーロッパの高級ラジオ。額縁型のパネル下部中央に大型のダイヤルとピアノ式バンドスイッチ、その左右にツマミを配するデザインは50年代から60年代にかけてのヨーロッパ製ラジオの典型的なものです。
ヨーロッパの影響が強いソ連、中国などでも同様のデザインのラジオが作られた。アメリカのデザインの影響が強かった日本ではあまり見られませんでした。

サブテーマ展示「未来の博物館のために」

2013収蔵品展

当時かかげたパネルの文章です。

ここに展示した比較的新しいテレビやラジオをご覧になって、「それほど珍しいものでもない」と思われる方も多いでしょう。実際、まだご家庭や職場で現役として使われているものも多いと思います。しかし、これらの製品は、現代を生きる私たちがごく普通に使ってきた実用品として残していく意味があると思います。しかし、大量生産されたこれらの電気製品が、一部のデザインの評価の高い製品を除いて、アンティークとして評価されていくかどうかはわかりません。地デジ対応で不要になったブラウン管アナログテレビはもちろん、どんどん低価格になり、使い捨てられるようになったラジカセなどが、将来残っていく可能性は低いと思われます。
懐かしくなって気が付いてみたらどこにもない、という事態に至ることは容易に想像できます。

当館では、まだ評価の定まっていない最近のラジオやテレビも収集しています。ある意味、今であれば、きわめて低い費用で容易に収集できるともいえます。収容能力に限界がありますので大量にとはいきませんが、将来にわたって体系的に保存していくために代表的なものだけでも集めていきたいと思っています。

ここでは、当館の姿勢をご理解いただくためにも、あえて新しめの収蔵品を展示してみました。アンティークらしくないラジオやテレビにも関心を持っていただければ幸いです。

企画展概要

企画展名称:
2013年度収蔵品展 -日本と世界のラジオ-

開催期間:
2013年12月14日(土)~2014年3月30日(日)

出展目録

ポスター

ポスターの住所、連絡先は開催当時のものです。

館長のひとりごと

「収蔵品展」は何でもよいから並べれば形になるので実に都合の良いタイトルです(移転で忙しかった2020年にもしっかりやりました)。ただ、この時はいつもは展示できない外国製ラジオを日本製品と並べてみてもらおうという意図がありました。副題のほうの「日本と世界のラジオ」のほうをタイトルに持ってきたほうが良かったと、反省です。

サブ展示の「未来の博物館のために」は、現役の製品も歴史になっていくということで、最近のアンティークではないものも大切に保存しなければならないというメッセージをこめて、あえてそれほど珍しくない80-90年代の製品を中心に展示しました。当時は本当にリサイクルショップのウィンドウのような気がしたのですが、今となってみるとけっこう歴史に入りかけてますね。

この頃はまだ1970年代前半までしか展示していませんでした。この中の何点かは現在(2021年)の常設展を立派に飾っています。ブラウン管テレビどころか、4:3のアナログ液晶テレビまで消えていっています。大阪万博から半世紀も経つと、80年代の製品でも若いお客さんからは「おばあちゃんの家にある」とか、「親が使っていた」ものということになります。

写真6-世界の亀山モデル

このステッカを覚えておられるでしょうか。液晶テレビで一躍トップに躍り出たシャープが誇らしげにテレビのパネルに貼っていたものです。その後のシャープがどうなったかはみなさまご存知と思いますが、これも歴史の生き証人です。きれいなステッカが残っているテレビを探そうと思ったらけっこう大変でした。今も様々なニュースが流れて、毎日最新ニュースが歴史になっています。場所の都合はあるのですが、最近の歴史を語れる品物も少しずつ保存していきたいと思います。

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日本でラジオ放送が始まって95年を超えました。当館では日本製のラジオを中心にオーディオ機器など歴史的に貴重な製品及び関連資料を、放送の歴史の流れに沿って分類、整理してネット及び長野県松本市の博物館で公開しています。タイトル写真は展示室の様子です。